地球環境のために

当社グループの事業活動そのものが、地球環境保全に直接貢献するものであるとの認識のもと、積極的な事業展開を図り、計装エンジニアリングを通じて、気候変動に影響を及ぼすCO2排出量の削減や省エネルギー化、省資源化に取組み、脱炭素社会と循環型社会の実現に貢献します。

戦略

当社グループでは、各事業セグメントのバリューチェーンにおける気候変動に関するリスクと機会の特定、事業インパクトの評価·対応策について、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿ったシナリオ分析を実施いたしました。なお、シナリオ分析においては、当社グループの事業セグメントである「空調計装関連事業」と「産業システム関連事業」それぞれにおいて、次のステップで検討いたしました。

STEP1 リスク·機会の重要度評価:リスク·機会項目の列挙、事業インパクトの定性化、リスク·機会の重要度評価 STEP2 シナリオ群の定義:シナリオの選択、関連パラメーターの将来情報入手、ステークホルダーを意識した世界観の整理 STEP3 事業インパクトの評価:リスク·機会が影響を及ぼす財務項目の把握、算定式の検討と財務的影響の試算、成行きの財務項目とのギャップ把握 STEP4 対応策の定義:自社のリスク·機会に関する対応状況の把握、リスク対応·機会獲得のための今後の対応策検討

シナリオ分析について

パリ協定の取組に準じて、世界の平均気温上昇を産業革命以前の水準から1.5℃までに抑制するシナリオと成り行きで温暖化が進む4℃のシナリオを採用し、各シナリオにおいて政策や市場動向の移行に関する分析と自然災害などによる物理的変化に関する分析を実施いたしました。

世界観の描画 参照シナリオ
1.5℃シナリオ 温室効果ガス排出を大幅に削減し、脱炭素への移行を急速に進めて気温上昇を抑制するシナリオ

国際エネルギー機関(IEA)による移行シナリオより

  • Net Zero Emissions by 2050 Scenario(ネットゼロシナリオ)

国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)より

  • SSP1-1.9シナリオ
  • SSP1-2.6シナリオ
4℃シナリオ 十分な排出削減が進まず、気温上昇が進行して気候災害や物理的影響が深刻化するシナリオ

国際エネルギー機関(IEA)による移行シナリオより

  • Stated Policies Scenario(公表政策シナリオ)
  • Current Policies Scenario(現行政策シナリオ)
  • Energy Technology Perspectives2026

国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)より

  • SSP3-7.0シナリオ

シナリオ分析結果

当社グループのシナリオ分析結果は以下のとおりであります。なお、財務へのインパクトの定量化、定性化も行いました。定量的評価、定性的評価の基準を定義しています。
なお、後述のScope排出量から当社グループは省エネ法に該当するエネルギー消費(原油換算1,500Kl)レベルはなく、Scope1及びScope2の排出量は大きくないため、気候変動に関するリスクは相対的に低いと認識できました。
また、シナリオ分析を通じて、「空調計装関連事業」については、顧客のエネルギー消費に影響を与える事業であり、省エネ提案を軸とする当事業セグメントの拡大が大きな事業機会であることが明確になりました。

リスクと機会

区分 項目 概要 区分 1.5℃
シナリオ
4℃
シナリオ
対応策
短期 中期 長期 短期 中期 長期
2027年 2030年 2050年 2027年 2030年 2050年
移行 政策
と法
エネルギー価格·カーボンプライシング導入による運営コスト増加
  • カーボンプライシングに起因する自社の運営コスト·原材料調達コストに関する影響
  • エネルギー価格の変動による運営コストの増減
リスク
小
中
中
小
中
中
  • 自社GHG削減
  • サプライヤーに対するGHG排出量削減要請
国や自治体の補助金利用による受注機会の増加
  • 国、自治体のGX関連事業に起因する案件獲得
機会
  • 営業活動の強化
技術
市場
技術力不足に起因する新市場獲得の機会損失リスク
  • 社内の技術者不足や、技術力向上ができず、顧客の要求にこたえられないことによる機会損失
リスク
  • 社内の技術力向上に向けた人的資本経営の強化
  • 社内のDXや新技術獲得に向けた投資
市場 ZEB·環境ソリューションの需要増や提供機会拡大
  • ZEBや省エネといったGX関連のニーズと共に創出する案件の獲得による事業機会
機会
大
大
大
小
小
  • 市場の獲得
評判 情報開示不足・目標未達による資金調達コスト増
  • 非財務情報の開示が進まず、資金調達において不利になるリスク
リスク
  • ESG開示の強化
物理 慢性 労働環境悪化(熱中症等)による施工人員減・生産性低下
  • 気温上昇にともない、労働環境が劣悪になり労働時間の制限が起きることを見越した労働コスト
リスク
中
中
  • 労働力確保に向けた取組
サプライヤー操業停止·輸送遅延による供給不足
  • 海水面の上昇によるサプライヤーの寸断リスク
  • サプライヤー企業の浸水による稼働停止
リスク
  • サプライチャー調査
災害対応、BCP対策、レジリエンスソリューション受注増
  • 海水面上昇に伴う地下施設の移設などの工事案件
機会
  • 営業活動の強化
急性 自然災害
  • 集中豪雨をはじめとする自然災害による自社施設損壊、営業に関する影響
リスク
大
大
大
大
大
大
  • リスクのある拠点に対する対応

定量的評価、定性的評価の基準

影響度 定性面 リスク 機会 定量面
事業の存続に重大な影響を与える可能性があるリスク
事業の拡大に重大な影響を与える可能性がある機会
大
大
財務影響において10億円以上の影響があるもの
事業の存続に一定の影響を与える可能性があるリスク
事業の拡大に一定の影響を与える可能性がある機会
中
中
財務影響において1-10億円の影響があるもの
事業の存続に軽微な影響を与える可能性があるリスク
事業の拡大に軽微な影響を与える可能性がある機会
小
小
財務影響において1億円未満のもの

参考情報

指標及び目標

当社グループの温室効果ガス排出量(Scope1・2・3)は以下のとおりであります。なお、C02削減目標を設定し、2026年5月にSBT認定を受けております。

2031年3月期 C02削減目標(2024年3月期対比)

Scope 1・2 ▲42.0%
Scope 3 ▲25.0%

(単位:t-C02

2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
Scope1 650 630 589
Scope2(ロケーション基準) 544 556 569
Scope2(マーケット基準) 573 614 2
Scope 3 カテゴリ1 購入した製品·サービス 25,292 28,435 25,990
カテゴリ2 資本財 1,008 1,734 1,642
カテゴリ3 Scope1,2に含まれない燃料
及びエネルギー活動
237 241 238
カテゴリ4 輸送、配送(上流) 1,553 1,782 1,557
カテゴリ5 事業活動から出る廃棄物 126 100 138
カテゴリ6 出張 554 538 784
カテゴリ7 雇用者の通勤 325 396 436
カテゴリ9 輸送、配送(下流) 132 208 171
カテゴリ11 販売した製品の使用 150,815 111,145 95,788
カテゴリ12 販売した製品の廃棄 24 28 18
Scope3 計 180,065 144,607 126,762
総合計(ロケーション基準) 181,259 145,793 127,920
総合計(マーケット基準) 181,288 145,851 127,353

(注)

  1. 2024年3月期及び2025年3月期のScope1・2・3の算定対象範囲は、当社及び連結子会社であるジュピターアドバンスシステムズ株式会社になります。
  2. 2026年3月期のScope1・2・3の算定対象範囲は、当社及び連結子会社であるジュピターアドバンスシステムズ株式会社と非連結子会社であるNDテック株式会社、NDテックサービス株式会社になります。
  3. 2024年3月期及び2025年3月期の温室効果ガス排出量に関しては、第三者保証を受けております。
    2026年3月期に関しては、第三者保証を受けていない概算値であり、今後、第三者保証を取得する予定であります。

第三者保証

当社グループは、温室効果ガス排出量データの信頼性向上のため、毎年第三者検証を実施し、その検証機関であるBSIグループジャパン株式会社より独立保証声明書を受領することにより、ステークホルダーの皆様に対し、より信頼性・透明性の高いデータ開示を目指しております。
2025年3月期の温室効果ガス排出量データについて、国際的な基準である「ISO14064-3:2019」に準拠した第三者検証を実施し、独立保証声明書を受領しました。